No.20 徒然なるがままに 2016年8月30日
◆台風
続けざまに台風が来て、畑の作物は勢いを取り戻すのであるが、それ以上に雑草の勢いも半端ではない。腰痛のため、以前の半分以下の農作業しかできない私にとって災難だ。
次から次へと雑草が押し寄せてくる。
せっかく植えたえごまなどはその雑草の中に埋もれていく。
雑草を取り除けてやるとその姿は頼もしいのだが、雑草の中のえごまは影が薄い。
このえごま助っ人作業はまだまだ続きそうだ。
それに雨が降ると農作業はほとんどできない。
何時もなら晴れ間の時間に為すべき為すというのだがそれが出来ない。
要するに雑草の勢いは期待して植えた作物の倍はあるだろうか。
そして、耕作地でもこうであるのだから非耕作地の姿は異様である。
まずは背丈以上の雑草が生い茂っている。
まずはこの勢いに出鼻をくじかれる。
それでも挑戦しないわけにもいかない。
まずは耕作地での戦いを終えてというのが順序である。
まずはこうした農作業を終えて腰痛をなおしたいというのが本音だがすでにその遅れは1か月以上である。
農作業は台風シーズンに合わせることが重要だが、このタイミングにどうも合わせられない。
隣の耕作地では綺麗にした耕作地で白菜が育っている。
私も挑戦したがとてもとても間に合わなかった。
台風の前に植えた小松菜は日照りで跡形もない。
最初はよく芽を葺いて期待をしたのだが。
台風は破壊することも多いが自然の様々な恵みを与える。
この恵みを利用するのが農作業である。
子供時代に台風シーズンに向けて大人たちがせっせと働く姿を思い出す。
それは永年続けられてきた農村風景である。
ただ、小菅村のように老齢化し農作業を放棄した地域にはそうした風景はない。
生まれ故郷と同じ原風景とおあぐ私が持つ一つの違和感の発見である。
私の心の中にだけ、この台風騒動があるようだ。
ところで地球温暖化現象で台風の強度が増すようだ。
台風発生地域での海水温の上昇はより大きな上昇気流をもたらすというのは当然だ。
この強力な台風がどのように来るかはえごま栽培に最大の難敵だ。
えごまの茎は折れやすい。
稲だってそのために茎の強い品種を育ててきた。
私にそれを実現する歳月は残されていないが、あくまでもそれは天運、その時の覚悟は必要だ。
幸いにえごまを一挙に植え付けずに少しづつ植え付けてきた。
台風シーズンに風で枝が折れずに済む割合が少なくなればと願うのである。
◆害虫
小菅で農業をやる場合の害虫との格闘は避けれない。
キャベツとか白菜とか蝶々が卵を産んで青虫が育つ。
これだけは手に負えなく、私はギブアップである。
ただ、これもタイミングでもあるらしい。
下隣の畑のおばさんは朝早く白菜に着く青虫退治だと張り切っていた。
ただ、右隣の畑のおじさんはそんなことはしていないという。
どちらも立派な白菜を育てる。
でも、白菜、キャベツにしても虫が好むほどの美味しさがないとは別のおじさんの話である。
都会人にとっては異常とも思えるこの発言、私は好きだ。
もう一言、このおじさんは雑草が育たないようでは作物も育たぬ、これも私の好きな言葉である。
こうした害虫とは別に今年はダニの異常発生しているらしい。
山小屋を作っての犬二匹は畑にいるのだが、ダニと蚊の大群が押し寄せている。
蚊の対策には蚊取り線香を毎日焚く。
少しは効き目があるらしいが、私も刺されないわけではないので、鎖に繋がれた犬はかわいそう。
それ以上にダニの大群は厳しい。
1ヶ月前まではダニが犬の血を吸って成長するので、見分けやすく毎日ダニ退治を行う。
その数は二匹で数十匹にも達する。
それも彼らは犬専門らしく私に影響はなかった。
ところがこの一ヶ月無数の目に見えないダニが発生している。
しらみのように犬から黒いものが湧き出るのである。
最初は気が付かず、犬には失礼なことをしたがよく見ると小さなダニの大群である。
最近はそれを一匹一匹取り上げるのだが、ようやく数も制限されるようになった。
犬にダニ防止薬をかけてやったのが効いたのか。
ところがである。
この小さなダニが私の体にはついてくることが分かった。
身体中にかゆみが走り何事かと悩んでいたが、昨日あたりからそれがこのダニのためだと分かった。
昨日は犬小屋から引き上げると手の甲に数匹のダニが乗っかていた。
今日は長袖シャツに十匹近くである。
流石にちょっとノイローゼ気味である。
対策を練らないと。
犬と人ともに災難である。
もう一つの災難は蚋である。
昔から、ブヨ(蚋)の被害は小菅村の風物詩だ。
サッカーチームが子供が蚋に噛まれるので合宿地としての小菅を止めたというのである。
最初蚋に刺されるとそれはそれは熱が出えるほど腫れ上がる。
私は蚋経験は十年を超えているので、刺されてその日は痒く晴れもあるが風呂でも入れば治まる。
経験の浅いパートナーはそれはそれで大変である。
蚋も最近は頭が良くなって私の肌の露出だけを襲うのではなくシャツの間に潜り込んで血を吸う。
体中にかゆみが走るので大変だ。
ダニが私の体に這ったときに、蚋との区別が出来なかったことはダニ退治の遅れの原因である。
とにかく蚋は小菅の風物詩。
今日は村の有線放送で、蜂の災害を訴えていた。
どんぶり蜂、熊蜂など刺されると医者に行かないとダメなものある。
数年前、私は鎌で草刈りの時ミツバチよりも小さな蜂の大群に襲われた。
何事が起ったかと疑うほどだが、大事にはならなかった。
そういえば小学生の頃、どんぶり蜂に刺されて子が腫れ上がり学校を休んだ記憶がある。
どこでもあることだが、ムカデが怖い。
昔文京区の比較的大きな庭のある家に住んでいたころ、大きなムカデが出た。
飼っていたローザという雑種犬が遊んでいるうちに噛まれ、そのとたんに気を失った。
獣医に電話するもどうしようもないという。
数時間後ローザは息を吹き返し事なきを得た。
小菅でもよく大きなムカデに出くわす。
昔住んでいた隣集落の金風呂集落にいたころはでっかいやつが首を這った。
その時は何事もなかったが、金風呂場で見つけた奴は馬鹿でかい。
私は残虐になる。
同じことが、この余沢集落でも二度起きた。
やはり私は残虐となる。
蛇と同じに私は彼らに恐怖感を覚える。
◆益虫
害虫と益虫とは区別するべきではないけれど、とにかく害虫に指定した虫どもは私を苦しめる。
ところが彼らを駆除する方法を私は殺虫剤以外知らない。
殺虫剤とて効果があるのかどうかも分からない。
蚊取り線香とてその場限りであり、根本的な解決策ではない。
ダニ退治の薬をワン公に振りかけたが効き目は今一である。
動物病院に連れていくと言い良薬があるというが、まずは犬二匹を動物病院に連れて行かねばならない。
その結果については保証されない。
こうした時にこうした害虫を駆除してくれる益虫のいることが神頼みである。
私の都合で益虫を期待する。
ただ、今の所見つからない。
後は、ダニ、蚊の発生は夏、高温多湿、天候次第で冬を待つしかない。
ところで、畑にとって、益虫は存在する。
まずはミミズ。
土を飲みながら有機物を分解し植物が吸収しやすいように窒素酸化物に分解してくれる。
土が肥沃になることは害虫を防ぐことになるのではと思う。
要するに何もわかっていないのが実情である。
◆有害動物駆除
村では猿、イノシシ、シカ、熊など村人に危害を加える動物の駆除を目的として駆除隊が組織される。
もともと山が豊かであれば里に下りてくるはずのない動物たちが畑を荒らし人に危害を加える。
私もいつの間にか村人の一人としてその駆除隊を応援するようになった。
昔荒れ地にイノシシが巣を作り、子供を産んだ。
その後、これを発見した村人が通告し、駆除隊が討伐したようだ。
それでも子供を取り逃がしたともいう。
一年もすればイノシシはでっかくなる。
その子供のイノシシが討伐されその肉をもらい受けた気がする。
気がするというのは詳しくは知らないが、討伐したイノシシが1歳半というのでそのように想像する。
結構でっかいやつだ。
このイノシシの住む畑は私の住む大家さんの土地だったが、許可が下りて耕すことになった。
私の畑をイノシシが荒したり、うろつく姿を見かけた人もいたが今ではイノシシの姿はほとんど居ない。
代わりに猿が襲ってくるが、大きな被害とはなっていない。
シカはもこの1,2年見かけない。
そしてイノシシが居なくて蛇がちょくちょく見かけるようになった。
今日も草刈りの途中で見かけた。
危ないところだったが、草刈りのすぐ目の前に居たものだから草刈りを中止した。
見た目では山案山子、最近の山案山子は毒を持っていて噛まれるとやばい。
最近見た奴は鎌首を持ち上げて構えていたので怖い。
最近は何故か蛇を殺さなくなっている。
私の苦手だが、意外と大人になっている。
それにイノシシは蛇の天敵だ。
畑ではネズミ、モグラやイモリが多いのでそれを食べにやってくる。
ネズミ、モグラ、イモリにとって天敵だが、ミミズが多いのでそれを食するのだろう。
◆益鳥
山鳥には昔はいろいろ苦しめられているが、彼らも畑の掃除をしてくれるので意外と私は優しい。
特にほーほーとなく山鳩は愛嬌がある。
ガビチョウはギャーぎゃと煩いが見ると親しめる。
鶯の鳴き声は色々だが昔ながらの友達である。
意外と雀が少ない。
代わって燕が多く見かけるようになった。
電線に鈴なりの燕は昔を思い出し懐かしい。
数年前に荏胡麻を襲った渡り鳥は今はいない。
カラスは多いが畑への直接影響がない。
小菅川には鵜が大挙発生しているらしいが実情は知らない。
空高く飛ぶトンビも好ましい。
庭にやってくるいろいろの野鳥、名も知らないが愛くるしい。
小菅では現状では極端な鳥の被害はなさそう。