No.23 「海辺を市民も利用できる条例」制定運動~ 海辺の旧3Kから新3Kへ     2013年7月25日

多様な「国民の福利」は、管理された行政サービスを「享受」することだけではない。国家の「公的」規制から一定の距離をおいて、「自分たちのことは自分たちで責任をとる」という共同体による「国民の福利」も享受できないか。

あまりにも「自分;私的自由」と「みんな;公的管理」に偏重した「お任せ民主主義」から脱して、和魂の基層である「共有・入り合い」共生思想を再興できないか。

地域住民の学生/主婦/自営業者/老人および議員/議員候補を中心とした「自分たち;コミュニティ形成」活動を活発にできないか。

そのひとつとして以下の「条例」改定運動を興したい。賛同者求む!  

 

○【横浜港の港湾区域内における水域の占用等に関する条例】を改定する

1.「水域を市民利用できる条例」を制定する背景

①横浜市は横浜都心部の将来像として「インナーハーバーの活性化」をかかげている

②東神奈川臨海部周辺地区においては、「新たなまちづくり」の機運が高まっている

③平成26年度において、「都心臨海部再生マスタープラン」が取りまとめられる予定である

④そのために「幅広く意見を聞く場の設置」を設ける所となっている

  

2.「水域を市民利用できる条例」を制定する目的

  河川、運河、岸壁、海など水際線を市民も利用できるために、現行の「水域の占用等に関する条例」に(4)海洋教室許可を追加すること。  

 

3.「水域を市民利用できる条例」を制定する理由

 現在の【横浜港の港湾区域内における水域の占用等に関する条例】(平成12年3月27日)は、つぎの各号について、許可申請を市長にしなければならないとされている。

(1)水域占用許可
(2)土砂採取許可
(3)工事許可

 市民が、水際線の利用を促進し、市民に親しまれ、にぎわいのある魅力的な港湾空間を創出するに当たって、現行の条例は障害となる。 なぜならば、水際線の現状は、既得権益の業者または未使用のままの放置状態が続く行政の占用空間となっているからである。

 現実に、東神奈川臨海部周辺地区における水際線は、「立入禁止」表示のオンパレードであり、市民が水際線を利用することを、強制的に排除している状態である。戦後から続いている港湾荷役産業政策に過度に偏重した港湾行政の根本的な見直しを要求したい。

そこで、「水域を市民も利用できる条例」に改定する住民運動をおこす。

 

4.「水域を市民利用できる条例」制定検討会の設置

  NPO未来に残そう青い海に事務局を設置する。

 

5.条例制定検討会の運営

① 条例制定に関心のある会員を募集する。

   市会議員を主役にする ==>「都心臨海部再生マスタープラン」へ反映させる。

   「条例制定勉強会」を定期的に開催、市民・住民の参加をよびかける。署名活動。

 

6.「海洋教室」で海辺のイベントを実行する

  みらい二世号(定員12名)を利用したクルーズ、操船訓練、機関学習
a.横浜港内クルーズ/ランチクルーズ/鶴見ふれー湯クルーズ

b.釣り/船上バーベキュー、模擬水難救済訓練

c.船内での勉強会;小型船舶操縦士試験向け、危険と訓練、自然へ畏怖の念

d.花火見物、夜景クルーズ、夜間航海訓練

 ② カヌー体験教室

   a.他のNPO団体へカヌー体験教室を依頼する(大岡川桜見物など)

 ③ ヨット教室 (30フィート前後の艇を予定)、帆走航海訓練

a.海水浴&デイクルーズ: 八景島、横須賀/猿島

b.1泊ランチクルーズ : 保田漁港/ばんや、温泉、宴会

c.数泊ナイトクルーズ:  三崎/初島/伊豆諸島/波浮港

d.ロングクルーズ   : 横浜~鹿児島、沖縄

 

○「これまでの3K」を「これからの3K」へ

これまでの港湾施策は、「海・運河・河川など水際線の市民利用の促進」ではなく、真逆の「禁止」だらけである。なぜなのか。

ⅰ)そのひとつは、「これまでの3K」つまり、「きたない」、「きけん」だから「禁止」という論理。

ⅱ)もうひとつは、市民と行政との関係性。
地域共同体を喪失した都市住民たちは、身の回りの困りごとを、自分たちのコミュニティで解決する知恵と思想性を劣化させている。困りごとの解決と責任を、かぎりなく行政に求める。行政にとって、その責任追及に対応する効果的な方法は、「何もさせない」予防線を張ること。だから、「立入禁止」。

 

「これまでの3K」、「きたない」、「きけん」だから「禁止」を、「これからの3K」に変えていく取組が必要である。「これからの3K」とは、「きれい」、「くんれん」、そして「かいほう」

NPO未来に残そう青い海は、「条例」の許可を得て、海辺の水路で「海をきれいにする」ための海水の浄化実験に取り組んでいる。「きれい」になったら、つぎは「あそぶ」ことである。

海の自然環境は、平穏と危険が同居している。安全に「あそぶ」ためには、自らを訓練して鍛えなければならない。

これからの取り組は、「訓練」、そして「開放」である。「くんれん」は、危険に対応するための個人的能力と社会的諸条件の成長・育成機会である。

 

NPO未来に残そう青い海の活動軸のひとつに水難救済事業への協力がある。水難救済事業は、現実におこった事故への緊急対応だけではなく、水難を予防する活動も重要である。水難予防活動は、自然の危険性を学び、自己の能力と海況とを考量し、危険に対する判断能力と対応能力を訓練することにほかならない。
 「くんれん」活動を、「水際線緑地や市民交流施設など、地域・市民に親しまれる、にぎわいのある港湾空間の創出」と同時に進めたい。釣り大会、魚の食育、カヌー教室、ヨット操船とクルージングなどが、市民にとって「にぎわい」の内実である。

その「くんれん」が「インナーハーバーの開放と活性化」につながるとわたしは確信する。

 

○市民と行政との新たな関係性へ

「地域・市民に親しまれる、にぎわいのある港湾空間の創出」のためには、地域住民の意識改革が必要だと考える。身の回りのことを、自分たちのコミュニティで主体的に取り組む姿勢が求められる。何ごとも行政の責任にする「お任せ民主主義」から脱皮進化しよう。

私的な空間と公的な空間の中間層としての共的空間創出には、「域住民は行政サービスのお客様」という立場を超える意識が必須である。これは、社会教育の領域であり、上の「くんれん」に重なる。

ここに、営利を目的とした私企業ではなく、みんなの公正を目的とする役所でもない、「特定」コミュニティの社会問題に取り組むNPO法人の存在意義がある。

NPO未来に残そう青いは、「横浜インナーハーバーの開放と活性化」に試行的に取りくむために、組織体制を強化する。

特に横浜市にある各大学の海洋関係サークルやボランティア活動に参加する学生たちと連携したい。未来をになう子どもたち、学生たちが、「にぎわいのある港湾空間の創出」に積極的に参加することを目指す。その若者たちを、高齢化社会の老人たちが応援する。老学共働プロジェクトである。

そういうコミュニティ形成活動への賛同者を求めます。

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