No33.地域コミュニティ情報システムのイメージ 2013年9月9日
起: 介護認定申請を本人/家族ができないときは、どうしたらいいか?
1.本人の生活事情をよく知る地域住民が、自治会を通して、役所に申請する
承: 「個人情報保護」偏重が、「行政サービス」の過剰負担を求めるのではないか?
2.マイナンバーを利用した個人情報保護の一定の権限を自治会に移譲する
転: CH地区の65歳以上の高齢者割合は、約130人/2100人=6%
3.現役を離れてくらせる老人たちが、新しい社会システムのシミュレーションをする
結: 「互助・共助」の将来モデルとして地域コミュニティの理想像を追求する
4.共生思想を修練する地域コミュニティ情報システムを運営する
1.本人の生活事情をよく知る地域住民が、自治会を通して、役所に申請する
現状: 縦割行政制度
介護など生活支援を必要とする行政サービスは、地域福祉| 高齢者福祉| 障害児・者福祉| 児童福祉| 民生委員・児童委員| 生活福祉資金| 生活保護|などの多岐にわたる。
問題: 住民の抽象化
ひとりの住民は、それぞれの制度が求める資格要件、生活条件の側面だけから抽象化され、分断される。縦割行政、官僚機構は、ひとり一人の生活状態をトータルには把握できない。
解決: 生活状態を知る隣人関係
ひとり一人の生活状態をトータルに把握して、その人にとって必要な生活支援とはどういう支援なのか、その包括的な多角的判断は、家族および自治会の相互扶助のお付合いから生まれる。
2.マイナンバーを利用した個人情報保護の一定の権限を自治会に移譲する
現状: 行政が個人情報を独占し、公共事業を役所が独占している
問題: 私公二階建社会のさまざまな問題(役所の肥大化、社会保障費の増大など)
解決 私――> 共 <――公
公共事業を「公」事業と「共」事業に仕訳して、「共」事業を自治会のコミュニティビジネスがになう。そのために、町内会・自治会を行政制度に組み入れて、個人情報保護の一定の権限と責務を町内会・自治会に移管する。
3.現役を離れてくらせる老人たちが新しい社会システムをシミュレーションする
現状: 間接民主主義
社会システムの設計は、役所と各種審議会の学者・有識者・専門家まかせである。
問題:訓練なき本番だけの社会システム
社会システムの設計と運用の間に、テスト・実証実験・評価などの試行錯誤の工程がない、または少なすぎるので、本番システムの運用だけを役務とする行政主導の「無責任体制」が、さまざまな問題をもたらす。
解決:
壮/職業期の現役を卒業して老/修業期をすごす老人たちは、本番の社会システムから一定の距離をおいて生活できるので、超高齢社会を生きる元気老人たちが、人生経験に基づいて新たな社会システムの設計に参加し、老学援交コミュニティ形成という未来社会のテスト・シミュレーション・訓練などの試行錯誤をおこなう。
4.共生思想を修練する地域コミュニティ情報システムを運営する
現状: 情報化社会がますます拡大している
企業や行政などの法人組織経営情報システム、パソコンやモバイル端末などの個人情報システム、インターネットのオープンなソーシャルネットシステムなど。
問題: 社会情報システムの思想性
私-共-公およびLNG/ローカル・ナショナル・グローバルの枠組みに照らせば、共/ローカルを対象とする地域住民どうしの人間関係を支援する地域コミュニティ情報システムの運営主体が弱体または不在である。
解決: インターネットからインター・ローカルネットへ
オープンな「私」/パーソナルを結ぶインターネットの思想性をこえて、クローズしたローカル/「共」をオープンに連結するインター・ローカルネットの「共生思想」へ転換し、地域コミュニティ情報システムを運営する。
○背景
横浜市の林市長が二期目にあたって、「超高齢化社会を見据えた包括的なケアシステムの構築」を重点施策として表明した。(2013年8月26日)
○「包括的なケア」を定義する
包括的とは、「生活支援を受ける住民」ひとり一人に固有の「支援を必要とする事項」のすべて。
ケアとは、衣食住、外出移動、情報通信、文化娯楽などの生活全般にわたる支援のすべて。
○「包括的なケア」を支援する地域コミュニティ情報システムのイメージ
ケアに関する「包括的な情報データベース」を中心として、個人および家族の生活状況全般から判断して、要支援者が必要とするケアの公的ケア制度とケア提供事業者とをマッチングする仕組み。
A:要支援者個人情報データベース
生活状況、必要な支援事項、公的制度適用の可否、支援内容の実績など
B:支援者等情報データベース
要支援者を支援する個人情報、支援者を支援できる住民の個人情報、支援実績など
C:公的ケア制度情報データベース
各種の公的ケア制度の適用条件規定、公的ケア施設に関する情報、ケアの内容など
D:ケア企業情報データベース
ケアをビジネスにする企業や病院等に関する情報、ケア内容、料金など
○地域コミュニティ情報システムの思想、社会システム論、哲学
天; 自然、天道 天網恢恢、疎にして漏らさず/超越システム
潜在性/可能性/現実性の全体、無限、永遠、則天去私、敬天愛人の「天」
私; 生命、身心頭 生活―Will欲望/Can能力/Must/規範 人生システム
少壮老/人生三毛作、三つの自分/身体自己、生活自己/了解自己
共; 家族、社会 自分たち 共生システムの一部 = 地域コミュニティシステム
相互主観性=共有物=共合*f(意味、g(記号)) f;意味関数、g;解釈関数
共生思想 = 共合 =分かち合い、話し合い、もたれ合い、求め合い
公; 国家、法律 ;制度恢恢、密にして穴だらけ
近代国家は、理念的かつ抽象的な人間像を前提にして、
トータルな人間性を抑圧する思想と機構である。民主主義の欺瞞。
未来国家像は、中央集権機構で運営される国家主権の一部を、
① ローカル/共生社会に移管する一国多制度、私共公三階建国家像
② グローバル/世界連邦政府に移管する「国境融解」国家像
○情報システムはコミュニケーションシステムである
「コミュニケーション」を、共生社会における「情報共合」と翻訳する。
「情報」とは、認知対象に関するひとり一人に固有のf(意味、g(記号))である。
f;意味関数、g;解釈関数 記号とは言葉や図形などの表現
詳細な議論は、「ソフトシステム思考」で。