はじめに   2021年7月10日

 

社会で活躍されておられる元気老人のおおくの方が、サミエル・ウルマン(米国の実業家)の『青春』という詩がお好きなようです。

 

青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。逞しき意志、優れた創造力、炎ゆる情熱、怯懦を却る勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こういう様相を青春と言うのだ。年を重ねるだけでは人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。

 

※老人にとっての『理想』とは、どんなものなのでしょうか。

 

●『人生三毛作』 少年期 ➡ 壮年期 ➡ 老年期  ☞ 臨終 

 少年 青春: 朝日が昇る 成長―上り坂 未来の希望  学業期 ☞ 卒業
 壮年 朱夏: 真昼の太陽 躍動―頂上  現実の対処  職業期 ☞ 失業

 老年 白秋: 夕日が沈む 平穏―下り坂 過去の取捨  終業期 ☞ 超越

 忘年 玄冬: 深夜の暗黒 諦観―終局地 時空の離脱  終末期 ☞ 往生

 

 わたしの生まれは、戦争末期の昭和18年、西暦1943年です。2021年の現在まで78年と数カ月をこの世で生きてきました。

 その自分のココロの持ち方を『青春』とよぶには、どうにも気恥ずかしい気がします。<そんなに がんばれないよ>という気分です。

 

 後期高齢者と呼ばれる老人が生きる季節は、落葉樹が枯れはじめる『白秋』の時期だと思いたい。その心象風景をまことに稚拙ながらつぎのように言葉をならべます。

 

白秋

 白秋とは、人生最終章を生きる老人世代の心の様相を言う。茫洋たる意志、広大な包容力、沈着なる情熱、貪欲を却る自制心、自然に身を任せる敬天心、こういう様相を白秋と言うのだ。年を重ねたら人の身心頭は老いる。人生の黄昏どきは、この世の後始末、あの世への旅支度。老人の理想は次世代の若者に未来社会の希望を託すことだ。

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日本は、戦後70年をこえて世界でも有数のゆたかな文明国家になりました。人類がこれまで経験したことのない超高齢者が、大量生産される長命社会にむかっています。

その日本の国家財政の借金(次世代へのツケ)が、1千兆円をこえています。

老人世代の医療と介護などの福祉予算は、毎年1兆円ふえつづけるそうです。国家予算の約4割が借金依存!!

素人かんがえでは、「借金まみれで国家財政が破たんしてしまう」のじゃないかとおもいますが、アベノミクス戦略で経済成長を加速させて、税収をふやせば借金などかえせる、だから心配ご無用と専門家はおしえてくれます。

 

そうかもしれないけれども、次世代に1千兆円をこえる借金を残す「逃げ切り老人世代」の社会的責任や倫理観は問われないのでしょうか。ちょっとズルイのじゃないのかな。

 残されたツケを払わされる次世代の若者たちにお願いしたい。

 

人生論や世代間倫理の視点から、わたしのような老人世代にむかって、もっと文句というか異議申し立てをしてもらいたい。

 よろしくお願いします。 

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